みんなで市民社会をつくろう、というキャッチフレーズのもとに、まちづくり・くにづくり・ひとづくりを考えるページです。
シティズンシップ教育ネット citizenship.jp

直線上に配置

ローカル・マニフェストを用いたシティズンシップ教育の実践プロジェクト
「埼玉ローカルマニフェスト/シティズンシップ教育研究会」
■プロジェクトの概要
■プロジェクトのねらい
■本研究会組織概要
■桶川市立加納中学校における実践授業
■これまでの経過と今後の計画
■前期ダイジェスト

■プロジェクトのねらい
○まちづくりとローカル・マニフェスト
 私たちは、まちづくりを学ぶツールのひとつとして、ローカル・マニフェストを活用しようと考えました。まちの目指すべき姿、現在の到達点を明らかにする。為政者にそれを託し、それを評価する。そしてまた、新しい為政者へと受け渡す。このような一連のサイクルを学習することによって、子どもたちは、より具体的に地方自治を学習し、理解を深めることでしょう。
 これらを机上の学習に止まらず、実際にまちに出かけ、インタビューや調査をして、仲間どうしで議論を重ねながらまとめる。まちのひとと意見交換をする。そして政策決定者に提言をする。このようなダイナミックな学びこそ、社会参加のスキルを育みます。
 このような学習をとおして身に付けたスキルや考え方が、今度はマニフェスト・サイクルの循環をより良いものにしていきます。



○ マニフェスト・サイクルを有効に回すための「市民性」の育成
・市民性・シティズンシップを育み、自治の担い手・まちづくりの主体としての意識を醸成し、市民の政策形成力を高めるための教育・生涯学習プログラムを実施します。

・とりわけ、子どもの政治教育を重視し、ローカル・マニフェストを活用することで、地域に根ざし実感をもって政治や政策を学べる機会、対話・ディベートを通じて合意形成を図ることを学べる機会を拡充します。

■「埼玉ローカル・マニフェスト/シティズンシップ教育研究会」の組織概要
 本プロジェクトの実現にむけて、シティズンシップ教育推進ネット(NPO)、埼玉大学教育学部(公民教育)、桶川市加納中学校、埼玉ローカル・マニフェスト推進ネットワーク(政策研究・市民活動団体)をはじめとする様々な団体が連携・協働し、本研究会を結成しています。

 各団体の持ち味をうまく組み合わせることによって、「シティズンシップ教育」、「公民教育」、「ローカル・マニフェスト」の3つの視点から、教材、指導計画等の検討を重ねています。



■桶川市立加納中学校における実践授業
○授業のねらい
・ 情報収集(まち探検など) → 解決策立案 → 市長や市民への提案、といった一連の活動を通して、実感を伴った市民性(シティズンシップ)を生徒に学び取ってもらうこと。

・ また、実践授業の経験をもとに、市民性(シティズンシップ)教育の教材を開発し、各地の教育委員会などと連携しながら、その普及を図る。

○授業の流れ


・ 情報収集にあたって、資料調査にとどまらず、実際に現場の人の声を聞く、主体的に集めることを重視している。
・ 解決策の立案にあたり、マニフェスト の考え方を取り入れ、「聞く人に とって」「具体的で」「わかりやすい」 まちづくりの提案を目指しています。
・ 授業は現在、解決策立案の段階に入り、10月中の政策提言を目指しています。

■これまでの経過と今後の計画(2006年7月現在)
日時 取り組み 内容
4月28日 桶川のまちの検討 ・自分たちが認識している桶川のいいところと課題の共有
5月12日 桶川の市政調べ ・市長方針演説(広報誌版)の検討
・桶川市の財政の学習
5月24日 まち探検 ・実地調査による情報の収集
・悪天候時の商店街の様子
5月26日 まち探検のまとめ(1) ・生徒どうしの発見・意識の共有
・今後の視点の共有
6月2日 まち探検のまとめ(2) ・地域課題・地域資産の洗い出しと分類
6月9日 まち探検のまとめ(3) ・地域課題・地域資産を分類し、解決の優先順位をつける
6月16日 市職員による講演・授業 ・桶川市のまちづくりの取り組みについて
・桶川市の商店街対策
6月30日 ローカル・マニフェストについての講義 ・対象を考え、具体的に提案をすること
 (マニフェスト的提案法)の学習
7月7日 まちづくり案の検討 ・これまでの情報の共有
・まちづくりの方針、アイデアの作成・共有
9月15日 各班のまちづくり案を発表しよう(中間報告) ・まちづくり案を発表し、相互評価をする
・他者とのかかわり
9月22日 まちづくり案を商工会関係者に発表しよう
(意見交換)
・まちづくり案を商工会関係者へ発表し、意見交換をする
・店主・商店街とのかかわり
9月29日 埼玉LM関係者・大学生によるワークショップ「マニフェスト型提案に向けて」
・ファシリテーター(大学生)によるワークショップ
・他者・地域とのかかわり
10月13日 マニフェスト型まちづくり提案づくりをしよう
・マニフェスト型提案づくり
・5W1Hの視点と自分たちにできること
・他者とのかかわり
10月20日 マニフェスト型まちづくり提案のまとめと発表資料づくりをしよう
・マニフェスト型提案のまとめ
・プレゼン資料づくり
・他者とのかかわり
10月27日 マニフェスト型まちづくり案を発表しよう
〜市職員や商工会関係者等へ発表〜
・マニフェスト型まちづくり案を市や商工会関係者に発表
・市政・店主・商店街とのかかわり


■前期ダイジェスト
●まち探検の様子@ 「商店街の風景」 (5月24日)
・ まち探検は、桶川駅東口商店街と中山道商店街を対象に実施しました。
・ 両商店街は、桶川宿時代の伝統的な建物が一部に残る一方で、店舗の老朽化や道路の狭さ、大手ショッピングモールなどの競合店との競争などの課題を抱えています。

●まち探検の様子A 「生徒の様子」 (5月24日)
・ 生徒は緊張しながらも積極的に商店でのインタビューを実施しました。
・ 商店主さんからは、1日の客数(20名程度)や後継者の話(跡取りがいないこと)などを聞きとりました。思いがけない生の声に、生徒の表情は引き締まっていきました。

●桶川市職員による講演の様子 (6月16日)
・ 桶川市からは、都市計画課の職員の方が講演におとずれ、桶川市全体での まちづくりについてお話しくださいました。
・ 生徒からは、
 「市が様々な計画を作り、まちづくりに取り組んでいることを知ることができた」「住んでいる人と私たちの違いを大切にしていきたい」「まちづくりにあたって、開発していいエリアとそうでないエリアがあることに驚いた」
 などの感想が聞かれました。

●まちづくりの課題整理の様子@ (5月26日、6月2日、7月7日)
・ まち探検でのヒアリングや、市職員の講演を受けて、まちの課題の整理を行いました。
・ まちの課題整理は、まちのいい点(お宝くん)と悪い点(困ったくん)を書き出し、そのグループ分けをするところから始まります。

●まちづくりの課題整理の様子A  (5月26日、6月2日、7月7日)
・ まちづくりの課題整理を行う上で、生徒たちがいちばん苦労したのは、みつけたアイデアの  グループ分けでした。
・ 複数のグループにまたがるアイデアがあってもいいこと(ex. 点字がない → 「交通」・「バリアフリー」の両方に入る) などを、議論を通して発見していきます。
・ 生徒が発見した課題は、分野間での優先順位付けを行い、解決策の立案へと進んでいきます。

●マニフェストに関する講義の様子 (6月30日)
・ まちづくりの解決策を考えるにあたって、あいまいな約束(=従来の公約)と具体的でわかりやすい約束(=マニフェスト)の2つの種類で考えることを学んでいます。
・ あいまいな指示と具合的な指示をそれぞれ与えられた状況の中で、図形を復元するゲームを通して、約束の種類の違いを学ぶようにしています。
・ 生徒からは「指示を具体的にすることの大切さがわかった」や、「相手の立場を考えた、わかりやすい提案を作っていきたい」といった感想が聞かれました。





直線上に配置